• "障害児通所給付費等不服審査会条例"(/)
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  1. 宮城県議会 2012-02-01
    02月16日-01号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    平成24年  2月 定例会(第335回)       第三百三十五回宮城県議会(定例会)会議録                              (第一号)平成二十四年二月十六日(木曜日)  午後一時開会  午後一時五十三分散会      議長                     中村 功君      副議長                    佐々木征治君出席議員(五十九名)        第一番                  太田稔郎君        第二番                  天下みゆき君        第三番                  三浦一敏君        第四番                  境 恒春君        第五番                  堀内周光君        第六番                  石川利一君        第七番                  長谷川 敦君        第八番                  佐々木幸士君        第九番                  村上智行君        第十番                  すどう 哲君       第十一番                  遠藤いく子君       第十二番                  吉川寛康君       第十三番                  伊藤和博君       第十四番                  渡辺忠悦君       第十五番                  細川雄一君       第十六番                  高橋伸二君       第十七番                  菊地恵一君       第十八番                  寺澤正志君       第十九番                  只野九十九君       第二十番                  石川光次郎君      第二十一番                  外崎浩子君      第二十二番                  岸田清実君      第二十三番                  佐藤詔雄君      第二十四番                  菅原 実君      第二十五番                  坂下 賢君      第二十六番                  菅間 進君      第二十七番                  庄子賢一君      第二十八番                  川嶋保美君      第二十九番                  佐藤光樹君       第三十番                  中島源陽君      第三十一番                  本木忠一君      第三十二番                  中山耕一君      第三十三番                  長谷川洋一君      第三十四番                  池田憲彦君      第三十五番                  佐々木征治君      第三十六番                  安部 孝君      第三十七番                  皆川章太郎君      第三十八番                  小野 隆君      第三十九番                  岩渕義教君       第四十番                  本多祐一朗君      第四十一番                  ゆさみゆき君      第四十二番                  藤原のりすけ君      第四十三番                  内海 太君      第四十四番                  坂下やすこ君      第四十五番                  横田有史君      第四十六番                  小野寺初正君      第四十七番                  石橋信勝君      第四十八番                  齋藤正美君      第四十九番                  安藤俊威君       第五十番                  中村 功君      第五十一番                  渥美 巖君      第五十二番                  畠山和純君      第五十三番                  千葉 達君      第五十四番                  仁田和廣君      第五十五番                  藤倉知格君      第五十六番                  相沢光哉君      第五十七番                  中沢幸男君      第五十八番                  渡辺和喜君      第五十九番                  今野隆吉君-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    三浦秀一君      副知事                    若生正博君      公営企業管理者                伊藤直司君      総務部長                   今野純一君      震災復興・企画部長              伊藤和彦君      環境生活部長                 小泉 保君      保健福祉部長                 岡部 敦君      経済商工観光部長               河端章好君      農林水産部長                 千葉宇京君      土木部長                   橋本 潔君      会計管理者兼出納局長             三野宮斗史君      総務部秘書課長                小林 裕君      総務部財政課長                池田敬之君    教育委員会      委員長                    勅使瓦正樹君      教育長                    小林伸一君      教育次長                   伊東昭代君    選挙管理委員会      委員長                    佐藤健一君      事務局長                   渡辺達美君    人事委員会      委員長                    高橋俊一君      事務局長                   今野光則君    公安委員会      委員長                    檜山公夫君      警察本部長                  森田幸典君      総務部長                   尾形正人君    労働委員会      事務局長                   保理昭泰君    監査委員      委員                     遊佐勘左衛門君      事務局長                   千葉裕一君-----------------------------------    議会事務局      局長                     佐々木昭男君      次長兼総務課長                西條公美君      議事課長                   畑 正芳君      政務調査課長                 沼倉敏郎君      総務課副参事兼課長補佐            三浦正博君      議事課長補佐                 片倉邦夫君      政務調査課長補佐               大泉美津子君      議事課長補佐(班長)             渋谷敏彦君      議事課主幹                  布田惠子君      議事課主幹                  高橋 仁君-----------------------------------    議事日程 第一号               平成二十四年二月十六日(木)午後一時開議第一 会議録署名議員の指名第二 会期の決定について第三 議第一号議案 平成二十四年度宮城県一般会計予算第四 議第二号議案 平成二十四年度宮城県公債費特別会計予算第五 議第三号議案 平成二十四年度宮城県母子寡婦福祉資金特別会計予算第六 議第四号議案 平成二十四年度宮城県小規模企業者等設備導入資金特別会計予算第七 議第五号議案 平成二十四年度宮城県農業改良資金特別会計予算第八 議第六号議案 平成二十四年度宮城県沿岸漁業改善資金特別会計予算第九 議第七号議案 平成二十四年度宮城県林業・木材産業改善資金特別会計予算第十 議第八号議案 平成二十四年度宮城県県有林特別会計予算第十一 議第九号議案 平成二十四年度宮城県土地取得特別会計予算第十二 議第十号議案 平成二十四年度宮城県土地区画整理事業特別会計予算第十三 議第十一号議案 平成二十四年度宮城県流域下水道事業特別会計予算第十四 議第十二号議案 平成二十四年度宮城県港湾整備事業特別会計予算第十五 議第十三号議案 平成二十四年度宮城県水道用水供給事業会計予算第十六 議第十四号議案 平成二十四年度宮城県工業用水道事業会計予算第十七 議第十五号議案 平成二十四年度宮城県地域整備事業会計予算第十八 議第十六号議案 障害児通所給付費等不服審査会条例第十九 議第十七号議案 布設工事監督者が監督業務を行う水道の布設工事並びに布設工事監督者及び水道技術管理者の資格を定める条例第二十 議第十八号議案 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく信号機等に関する基準を定める条例第二十一 議第十九号議案 図書館協議会条例第二十二 議第二十号議案 職員定数条例の一部を改正する条例第二十三 議第二十一号議案 手数料条例の一部を改正する条例第二十四 議第二十二号議案 宮城県県税条例の一部を改正する条例第二十五 議第二十三号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第二十六 議第二十四号議案 住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例第二十七 議第二十五号議案 環境審議会条例の一部を改正する条例第二十八 議第二十六号議案 自然環境保全審議会条例の一部を改正する条例第二十九 議第二十七号議案 食品衛生法施行条例の一部を改正する条例第三十 議第二十八号議案 特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例第三十一 議第二十九号議案 社会福祉施設条例の一部を改正する条例第三十二 議第三十号議案 看護学生修学資金貸付条例の一部を改正する条例第三十三 議第三十一号議案 介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例第三十四 議第三十二号議案 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行条例の一部を改正する条例第三十五 議第三十三号議案 精神保健福祉センター使用料等条例の一部を改正する条例第三十六 議第三十四号議案 知的障害児施設条例の一部を改正する条例第三十七 議第三十五号議案 障害者支援施設条例の一部を改正する条例第三十八 議第三十六号議案 後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例第三十九 議第三十七号議案 主要農作物品種審査会条例の一部を改正する条例第四十 議第三十八号議案 宮城県地方港湾審議会条例の一部を改正する条例第四十一 議第三十九号議案 風致地区内における建築等の規制に関する条例の一部を改正する等の条例第四十二 議第四十号議案 屋外広告物条例の一部を改正する条例第四十三 議第四十一号議案 流域下水道条例の一部を改正する条例第四十四 議第四十二号議案 県営住宅条例の一部を改正する条例第四十五 議第四十三号議案 美術館協議会条例の一部を改正する条例第四十六 議第四十四号議案 歴史博物館協議会条例の一部を改正する条例第四十七 議第四十五号議案 公安委員会関係手数料条例の一部を改正する条例第四十八 議第四十六号議案 全国自治宝くじ事務協議会規約の一部変更について第四十九 議第四十七号議案 学校給食に関する事務の委託について第五十 議第四十八号議案 安全・安心まちづくりに関する基本計画の策定について第五十一 議第四十九号議案 包括外部監査契約の締結について第五十二 議第五十号議案 公立大学法人宮城大学が定めた業務に関して徴収する料金の上限の変更の認可について第五十三 議第五十一号議案 平成二十四年度市町村受益負担金について第五十四 議第五十二号議案 平成二十四年度流域下水道事業受益負担金について-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 会期の決定について三 日程第三ないし日程第五十四 議第一号議案ないし議第五十二号議案----------------------------------- △開会(午後一時) ○議長(中村功君) 第三百三十五回宮城県議会を開会いたします。----------------------------------- △開議 ○議長(中村功君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。-----------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(中村功君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、十九番只野九十九君、二十番石川光次郎君を指名いたします。----------------------------------- △諸報告 ○議長(中村功君) 御報告いたします。 お手元に配布のとおり、平成二十三年度公共事業再評価に係る評価の結果及び反映状況説明書、平成二十三年度宮城県における犯罪被害者支援施策に関する年次報告について、それぞれ提出がありました。 地方自治法第百二十一条の規定により、お手元に配布のとおり、議場出席者の通知がありました。……………………………………………………………………………………………    議場出席者名簿               第335回県議会(平成24年2月定例会)   知事                村井嘉浩   副知事               三浦秀一   副知事               若生正博   公営企業管理者           伊藤直司   総務部長              今野純一   震災復興・企画部長         伊藤和彦   環境生活部長            小泉 保   保健福祉部長            岡部 敦   経済商工観光部長          河端章好   農林水産部長            千葉宇京   土木部長              橋本 潔   会計管理者兼出納局長        三野宮斗史   総務部秘書課長           小林 裕   総務部財政課長           池田敬之 教育委員会   委員長               勅使瓦正樹   教育長               小林伸一   教育次長              伊東昭代 選挙管理委員会   委員長               佐藤健一   事務局長              渡辺達美 人事委員会   委員長               高橋俊一   事務局長              今野光則 公安委員会   委員長               檜山公夫   警察本部長             森田幸典   総務部長              尾形正人 労働委員会   事務局長              保理昭泰 監査委員   委員                遊佐勘左衛門   事務局長              千葉裕一----------------------------------- △会期の決定 ○議長(中村功君) 日程第二、会期の決定についてを議題といたします。 お諮りいたします。今回の会期は、本日から三月十六日までの三十日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(中村功君) 御異議なしと認めます。 よって、会期は三十日間と決定いたしました。----------------------------------- △議第一号議案ないし議第五十二号議案 ○議長(中村功君) 日程第三ないし日程第五十四、議第一号議案ないし議第五十二号議案を一括して議題といたします。 知事から提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 本日ここに第三百三十五回宮城県議会が開会され、平成二十四年度一般会計当初予算案を初めとする提出議案を御審議いただくに当たり、平成二十四年度の県政運営の考え方と議案の概要を御説明申し上げます。 平成二十三年三月十一日午後二時四十六分、あのときから間もなく一年を迎えようとしております。今、大震災発生時からこれまでの一年間の復旧・復興の足跡を振り返るとき、さまざまな思いが込み上げてまいります。大地震と大津波、それはこれまで想像もできなかった規模で突如として私たちに襲いかかり、とうとい生命や財産、住まい、職場など、それまでの当たり前の生活やふるさとの景色、更には地域のつながりをも一瞬にして奪い去りました。発災直後の混乱時には、県民のだれもがこの目の前の現実をどう受けとめ、今後どうなってしまうのか戸惑い、不安な気持ちでいっぱいになりました。こうした中、国内外から次々と差し伸べられたさまざまな御支援は、私たちの心の支えとなり、また、困難な状況下にあって、みずからの境遇を嘆き悲しむだけでなく、地域の人たちが手と手をとり合い、力を合わせて立ち上がろう、ともに助け合おうとする姿は、私たちにこの震災に立ち向かっていく勇気を与えてくれました。これまでのほぼ一年間にわたる復旧・復興の取り組みが進んでまいりましたのも、さまざまな御支援のもと、被災者を初め関係者の皆様が深い悲しみと絶望感を乗り越え、懸命に積み重ねてきた努力のたまものと深く敬意を表するとともに、議員各位のお力添えに対し、心より感謝申し上げます。 今後、私たちの先人がこれまでるる営々と築いてきた文化や財産、地域とのつながりを復活させ、そのきずなを強めるとともに、新しくつくり出す試みが必要となりますが、震災発生後に発揮した地域の力があれば、必ずや達成できるものと確信をしております。そして、まさに平成二十四年度は復興元年として、宮城県にとって新たな歴史を刻むスタートの年であります。 復興の取り組みは、まだ緒についたばかりであり、被災された方々の生活再建を初め重要課題に迅速に対応していかなければなりません。身近な人を亡くし、住む家や働く場を失った多くの方が、いまだあすへの希望を見出せず、まるで時計の針がとまってしまったかのような日々を過ごされております。県としましては、昨年策定しました復興の道しるべとなる宮城県震災復興計画の着実な実現に向けて、復旧・復興に全力で取り組み、さまざまな障害や困難を乗り越え、必ず復興を果たしてまいります。 このたびの大震災は、これまで経験したことのない規模の津波被害という大惨事でもあり、今後の復旧・復興を進めていく上で、未踏の道を歩んでいかなければなりません。数多くの課題がありますが、まずは通常時の二十三年分と言われる災害廃棄物の処理を急ぐ必要があります。ようやく被災した建築物の解体撤去が進み、焼却処理施設の建設も始まるなど、来年度はその処理も大きく進展し、復興を目指すまちづくりが本格化するものと考えております。そうした中、いまだ二次仮置き場が設置されていない気仙沼ブロックのうち南三陸処理区につきましては、現在、年度内の処理契約の締結に向けた取り組みを進めておりますが、残る気仙沼処理区についても早期着工ができるよう関係者等との調整に努めてまいります。 また、県内で対応し切れない災害廃棄物の広域処理の推進につきましては、これまで国や県外他団体等との連携・協力体制の構築に努めてきているところですが、現在、議会におかれましても、国はもとより各都道府県議会に対し広域処理について働きかけていただいていることは、私としても大変心強く、この場をおかりいたしまして御礼申し上げます。今後も私が先頭に立って広域処理の受け入れ先の確保について全力を傾注してまいりますので、引き続き御支援・御協力をよろしくお願い申し上げます。 応急仮設住宅などの仮住まいで将来への不安を抱え生活している数多くの被災者にとりましては、恒久住宅への一日も早い入居こそが生活再建の第一歩となるものであります。県といたしましても、市町と一体となって災害公営住宅の整備を図ってまいりますが、それまでの間、サポートセンターや心のケアセンターによる支援活動、被災者による地域での自立・共助に向けた取り組みなど、できる限りの生活支援対策に取り組んでまいります。 なお、被害が大きく、施設の再整備を余儀なくされている沿岸部の鉄道については、沿線住民の方々にとって欠かすことのできない重要な生活の足でもありますので、早期の運転再開が図られるよう引き続き関係機関との調整を進めてまいります。 更に、安定的な生活を営むためには雇用の確保が重要でありますが、これまで地域産業の中心となってきた企業が事業再開を果たし、地域の活力を高められるよう、沿岸部の中小製造業等の早期復興に向けた支援を行い、雇用の回復に努めてまいります。 あわせて、このような取り組みを進める一方で、先日、国から認定を受けました民間投資促進特区などを積極的に活用し、新たな企業の誘致を促進するとともに、地元企業の育成による雇用創出も図ってまいります。昨年末には世界のトップクラスの自動車メーカーエンジン工場の建設に着手したほか、ことしの夏には、新たな統合会社の本社を大衡村に置くことを発表するなど、これから我が県が国内自動車生産の拠点となることが大いに期待されるところであります。こうした機会をとらえ、今後とも自動車関連産業高度電子機械産業などの企業集積を更に推進するほか、人材育成や地元企業とのマッチング支援など本格的な産業復興に向けた取り組みに注力し、引き続き、富県宮城の実現に向け邁進してまいります。 こうした生活の安定に加え、人と人とが心の結びつきを持ち続け、日々の生活の中で新たな光明を見出し、あすに対する希望を胸に抱けるよう心の復興を果たすことが、この大震災からの真の復興を果たしていく上での礎になるものでありますので、そうした取り組みにも力を注いでいかなければならないと考えております。 こうした中、石巻工業高等学校が第八十四回春の選抜高校野球大会に二十一世紀枠で出場することが決定いたしました。地元石巻市のみならず本県にとりましても久々の明るい話題であり、復旧・復興へ大きな励みとなるものであります。今回の出場は、震災の中にあってもひたむきに続けた努力がかない、あきらめなければ必ず報われるということを教えてくれました。国内外からいただいた多くの御支援に対して感謝の意をあらわすためにも、被災地を代表し甲子園球場での元気あふれるプレーを期待しております。 次に、東京電力福島第一原子力発電所事故についてであります。 放射性物質を含んだ稲わらや汚泥などの処理を初め、風評被害や賠償問題など解決されていない課題が山積しております。こうした状況下で、国は、東京電力福島第一原子力発電所事故に関して、昨年末、事故の収束宣言を行いました。汚染地域における除染の見通しも明確となっておらず、放射性物質による影響が懸念されている中での宣言は、唐突な感が否めないものでありました。国としては、今回の原発事故に関して、科学的な知見に基づく的確な情報の提供とわかりやすい説明に意を尽くし、国民的な理解を得ることが重要であり、その上で、事故による影響についてしっかりとした対策を国みずからの責任で早急に講じていくという姿勢を明確に示すべきだと考えております。 県といたしましては、先月末、東京電力福島第一原子力発電所事故被害対策基本方針を策定し、事故、被害等に対する総合的な対応についての基本的視点や県が取り組む基本的な方向性をお示ししましたが、今後、この基本方針に基づいた具体の取り組みと事業をまとめた実施計画を策定し、不安解消のための徹底した対応、徹底した放射線低減化システムの構築、県民の放射線・放射能に対する科学的知見の涵養の基本的視点を踏まえた対応を全庁挙げて取り組むこととしております。 これまで米や野菜、肉用牛など農畜産物等への放射能の影響に対し、検査機器と検査体制を整備し、安全性の確認と周知に取り組んでまいりましたが、引き続きそうした取り組みを強化するとともに、暫定許容値を超える牧草地での反転耕による除染を計画的に進めるなど牧草の安全性の確保にも努めてまいります。また、学校や保育所等の給食用食材の放射能検査体制整備についても、市町村と連携し進めてまいります。更に、先般、二回目の健康影響に関する有識者会議を開催し、放射線に対する正しい知識の普及啓発の推進を含めた短期的及び中・長期的な対応策の提示をいただきましたので、これらを踏まえて更に検討を加え、県民の健康への不安を払拭するため適切に対処してまいります。 なお、汚染状況重点調査地域に指定された八市町の円滑な除染を推進していくために、昨年末に除染支援チームを編成し、市町が行う放射線量測定調査やそれを踏まえた除染実施計画の策定、国との調整などの面で支援を行っておりますが、これからの本格的な除染に向け、県と市町が相互に情報を共有しながら連携した取り組みを推進してまいります。 しかしながら、本来このようなことは、国や東京電力が責任を持って対処しなければならないことであります。また、今後長い時間をかけて取り組まなければならない国としての責務でもあります。このため、福島県のみならず我が県を初め影響を受けている隣接各県に対しても国がしっかりとした姿勢で対応するよう、引き続き強く求めてまいります。 次に、当初予算の編成に当たっての基本的な考え方を御説明申し上げます。 平成二十四年度の政府予算案は、東日本大震災からの復興、農林漁業の再生、エネルギー・環境政策の再設計など五つの重点分野を中心に日本再生に全力で取り組むこととしており、財政運営戦略における財政健全化目標の達成に向け、既存歳出の見直しを進めた予算編成を行っております。 このうち東日本大震災関係については、復興特区制度による規制・手続等の特例や税制上の特例等が設けられ、東日本大震災復興交付金制度が今年度に引き続いて予算計上されたほか、災害廃棄物処理費や公共事業等の追加も盛り込まれるなど、復旧・復興に向けた着実な取り組みが進展するものと評価しております。また、先日、国の復興施策の司令塔となる復興庁とその地方機関である復興局が被災三県に設置されました。今後の本格的な復興への取り組みが加速するものと期待をしておりますが、本県といたしましても、一日も早い復旧・復興の実現のため、国と連携し、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。なお、国では平成二十七年度までの五年間を集中復興期間と位置づけ、復興に必要な費用を十九兆円と試算しており、来年度の当初予算案と本年度のこれまでの補正予算を含めるとほぼそれに見合う財源が手当てされることになりますが、復旧・復興の取り組みが滞ることなく順調に進められるよう、必要な財源の確保について引き続き国に対して強く求めてまいります。 このほか、これまで懸案となっております加速する高齢化社会への対応については、消費税を段階的に引き上げ社会保障経費に充てる社会保障と税の一体改革の方針案が示されております。国、地方を通じ、多額の借入金に依存した財政状況のもと、財政の健全化と社会保障の機能強化のために社会保障の安定財源を確保することは避けて通れない課題であります。国と地方がそれぞれの役割を担い、緊密に連携して社会保障サービスを持続的に提供し、すべての人が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な社会を構築していくためにも、こうした課題を先送りせず実現することが必要であると考えております。 一方、地方財政運営の指針となる地方財政計画においては、規模では前年度を若干下回るものの、地方交付税の別枠加算措置が継続されるなど、地方交付税、一般財源総額ともに平成二十三年度と同水準を確保しております。また、東日本大震災分を通常収支とは別枠で整理した上で、復旧・復興事業の地方負担分や地方税の減収分に対する震災復興特別交付税による措置を今年度に引き続き確保するなど、これまで本県が求めてまいりましたことが反映された内容となっております。過去においては、震災対応事業を実施する上で多額の地方債の発行を余儀なくされ、復旧・復興後もそうした地方債借り入れによる公債費の負担が財政運営上の課題となっておりましたが、今回の震災復興特別交付税の措置により、こうした懸念は当面は払拭される見込みとなりました。しかしながら、平成二十五年度以降の財源措置については不明なところもありますので、今後の復興を果たしていく上で欠かすことのできないこうした財源措置が長期的な財政支援として継続されるよう国に対して求めてまいります。 昨年策定しました宮城県震災復興計画においては、平成三十二年度を復興達成の目標年度として、平成二十三年度からの三年間を被災者支援を中心に生活基盤や公共施設を復旧させる復旧期と位置づけており、平成二十四年度はその二年目として今後の復興を進めていく上で非常に重要な年となります。 震災被害は甚大で県民生活にさまざまな影響を与えていることから、県政全般について復興のために必要な政策・施策を横断的に展開していく必要があり、このため、宮城県震災復興計画に掲げた分野別の復興の方向性に沿った七つの政策を主要政策と位置づけ、人と財源を重点的に配分し取り組みを進めることとしております。更に、その他の事業についても必要性を精査した上で、宮城の将来ビジョンの将来像の達成を目指し着実に推進してまいります。今回、これらの取り組みが実効あるものとなるよう、宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画案を策定しましたが、今後は、この計画に基づき、ふるさと宮城の再生と更なる発展の実現に向け、全職員が一丸となって知恵を出し合い、意欲を持って前向きに取り組んでまいります。 平成二十四年度当初予算案は、大きく落ち込んだ税収の回復が望めない状況のもと、赤字団体又は将来的な財政再生団体への転落回避に十分配慮した上で、これまで行ってまいりました県民に必要不可欠なサービスの提供を継続しつつ、限られた財源をできるだけ震災対応に優先的に配分し、歳入歳出ともに可能な限りの財源措置を講じて、震災からの復旧・復興の加速的な進展が図られるよう編成したものであります。 東日本大震災からの復旧・復興に関する予算につきましては、歳入面では、国庫補助金やこれまで国の経済対策等により造成した各種基金を積極的に活用するほか、多額の震災復興特別交付税を見込んでおります。また、歳出面では、災害復旧経費や被災者の生活支援、中小企業等の復旧・復興支援、災害廃棄物処理、農林水産業の復興などの経費について重点的に措置したところであります。 この結果、平成二十四年度当初予算案は、通常予算では減少しましたが、それを上回る規模の震災関連事業の所要額を確保したことから、一般会計では前年度の約二倍の規模となる、当初予算としてはこれまでで最大の予算案となっております。震災対応分の累計予算額では約二・五兆円に達し、更なる増加が見込まれておりますが、引き続き必要な予算額の確保とこうした増大する震災対応事業の適切かつ円滑な執行に努めてまいります。 なお、東日本大震災復興交付金を活用する事業につきましては、既に事業計画を策定、提出し、現在、国と協議しているところでありますので、その調整内容を踏まえ速やかに対応してまいります。 また、通常分としての財政収支では、地方交付税や臨時財政対策債は、ほぼ前年度当初予算と同程度を見込んでおりますが、臨時財政対策債は依然として高水準の発行を余儀なくされ、県債全体に占める現在高はほぼ四分の一を占める規模にまで達し、今後、地方財政措置の抜本的な見直しがない限り、その残高が減少する見込みも立たないなど厳しい状況にあります。更に、平成二十三年度当初予算編成時に発行を抑制した退職手当債については、平成二十四年度では当初予算編成時から財源として見込まざるを得ませんが、そうした特例的な地方債による財源手当を講じた上での財源調整のための基金残高は前年度を下回る水準と見込まれ、震災対応を含め今後の財政需要を考慮しますと、より一層の財源確保が喫緊の課題となります。 来年度の当初予算案をベースに震災復興計画に盛り込んだ事業計画等を反映させた中期的な財政見通しでは、平成二十五年度以降は通常収支ベースでの財源不足額が拡大し、復旧・復興関係予算の財源に不足が生ずれば危機的な財政状況が危惧されるなど、綱渡りの財政運営は避けて通れないことから、今後とも、細心の注意を払った財政運営に努めてまいります。 平成二十四年度当初予算案における主な施策についてですが、初めに、宮城県震災復興計画に基づき重点的に取り組むこととしました七つの主要政策について御説明申し上げます。 第一に、被災された方々の生活再建を進め、安心して暮らすことができる良好な生活環境の確保を図るとともに、災害廃棄物の適正処理や持続可能な社会と環境保全の実現を進めてまいります。 まず、応急仮設住宅などで暮らす高齢者や子育て世帯の方々が安心した生活を送れるよう、地域の見守りや相談、生活支援を行うサポートセンターの運営を支援し、地域支え合い体制の構築に努めます。また、地域におけるさまざまな課題を解決する仕組みづくりを推進するため、その中核的担い手となるNPOなどの活動を支援してまいります。更に、復興に向けた住民主体の地域活動を促進するため、官民が協働で支援する拠点として(仮称)地域復興支援センターを設置し、地域内外から復興に向けて意欲的に取り組む人材を公募して復興応援隊を編成し、地域の実情に応じたきめ細かな対応を講じてまいります。 被災者の生活再建にとって欠かすことのできない恒久的な居住環境の確保につきましては、被災市町のまちづくり計画を踏まえた災害公営住宅の整備を進めていくとともに、県産材を使用した住宅建築や既存住宅債務に係る利子への助成を継続し、被災者の住宅再建を支援してまいります。更に、地域住民生活の交通の利便性を確保するため、被害を受けた離島航路や地方生活バス路線の運行支援を行ってまいります。 なお、津波被害により発生した膨大な量の災害廃棄物については、県内四ブロックに設置する二次仮置き場において、迅速かつ適切な処理に継続して取り組んでまいります。 また、自然エネルギーの導入促進を図るため、みやぎ環境税を活用し、住宅用太陽光発電システム設置に対する助成を大幅に拡大いたします。 第二に、被災者の健康を守ることを最優先で考えるとともに、地域における保健・医療・福祉提供体制の回復・充実を図り、これまで以上に安心して暮らせる地域社会の構築を進めてまいります。 応急仮設住宅や在宅の被災者が良好な健康状態を保つため、健康診査や保健・食生活相談などを実施し被災者の健康支援に取り組みます。また、地域の医療機能の回復を図るため、病院、診療所、薬局等の復旧整備を推進するほか、被災により離職を余儀なくされた医療従事者の雇用を確保し人材の流出防止に努めるとともに、県外からの招聘や奨学金制度の拡充により人材の確保・養成を図ってまいります。更に、石巻市立病院や気仙沼市立病院の移転新築の整備を支援するほか、地域医療連携システムを構築し、医療機関、福祉施設、在宅介護事業者などの連携強化・情報共有を図り、子供から高齢者まで、県内どこにいても安心して医療が受けられる体制の構築に努めてまいります。 震災で被災し、心に深い傷を負った子供たちに対しては、きめ細かな支援を行うため、子どもの心のケアチームによる巡回相談などにより、心のケアを充実させてまいります。あわせて、被災した幼稚園や保育所の整備を支援し、保育環境の早期復旧を進めてまいります。 また、被害を受けた特別養護老人ホーム、障害福祉サービス事業所等の社会福祉施設の復旧を支援し、利用者に対する施設サービスの回復を図るほか、震災により心のケアを必要とする被災者へのサポートを充実させるため、今年度設置したみやぎ心のケアセンターの地域センターを被災地に設置し、相談体制を強化してまいります。更に、障害福祉サービスに係る復興支援のためのコーディネーターの配置など、障害者等に対する円滑な福祉サービスが提供できる体制を整備するほか、被災した聴覚障害者の生活再建を支援するため先月設置したみやぎ被災聴覚障害者情報支援センターによる生活関連情報の提供や相談支援などに努めてまいります。 第三に、これまでの富県宮城の実現に向けた歩みを着実に将来につなぎ、経済基盤を再構築するため、ものづくり産業の早期復興と商業や観光の再生とにぎわいづくり、県民生活を支える雇用の創出を進めてまいります。 本格的な産業復興に向け、甚大な被害を受けた中小企業等の一刻も早い事業再開のため、国の制度を最大限活用するとともに、県単独での復旧支援に継続して取り組み、損壊した工場・設備、商店・商店街等の早期復旧・整備、経営の安定を図ってまいります。あわせて、事業復旧・復興に対し安定的に資金を融通するための融資枠を確保するほか、信用保証料率の引き下げや利子補給による経済的な負担の軽減に努めます。また、二重債務問題につきましては、国や関係機関との連携を図り、取り組んでまいります。更に、生産活動の再開に向け経営相談や技術的課題への対応を強化するほか、引き続き、企業誘致や取引拡大のための展示商談会の開催、販路開拓などの支援も行ってまいります。 観光の面では、国内外からの観光客の減少など風評被害による影響の早期払拭を図るため、観光地の復興状況などについて正確な情報の発信に取り組むほか、平成二十五年春に予定している仙台・宮城デスティネーションキャンペーンに向けた観光復興キャンペーンを初めとする誘客活動を積極的に展開してまいります。 深刻化する被災地での雇用問題の抜本的な改善に向けては産業の再生が急務でありますが、現下の雇用情勢を踏まえた対応として、国との連携を図りながら、被災した中小企業等の雇用維持への支援や離職者を対象とした相談窓口の強化に努めるとともに、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用し、これまで実施してきた短期的な雇用の創出に加え、被災地域の産業復興策と連動して安定的な雇用を創出するほか、新規学卒者や被災求職者等の就職促進を図るため、企業説明会や合同就職面接会を開催するなど、雇用と生活の安定を目指します。 第四に、水産業の壊滅的な被害を初め、沿岸部全域を中心に農林業も甚大な被害を受けたことから、これまで取り組んできた農林水産業振興施策を抜本的に見直しながら大胆な取り組みを講じていくとともに、他の産業分野との連携による早期復興を目指すほか、木材産業の再建や食産業の一層の振興を図り、農林水産業が地域経済を牽引する新たな成長産業となるよう再構築を進めてまいります。 まず、農業分野では、農地の復旧や除塩、損壊した用排水施設などの農業生産基盤の早期復旧に最優先で取り組むほか、加工施設や倉庫などの共同利用施設や農業法人等が所有する農業施設・機械の再整備を進めてまいります。また、地域農業の復興を図るため、地域の中心となる経営体へ農地集積を進める経営再開マスタープランの策定を推進するとともに、プラン実現に必要な取り組みを支援いたします。畜舎の流出など生産基盤に被害を受けた生産者に対しては、経営再建に必要な施設、設備の整備・改修に要する経費を助成するほか、優良子牛の県内保留を支援するなど、畜産の生産拡大を図ってまいります。なお、平成二十九年度に本県で開催される第十一回全国和牛能力共進会宮城大会に向けて、今後本格的な検討を行ってまいります。 林業分野では、森林の早期復旧を図るため、林業種苗生産の再建に必要となる設備・機械等の整備に対する支援を行うほか、木質系瓦れきの処理と木質バイオマスの有効活用の観点から林地残材の搬出経費への助成を行うなど、木質バイオマス生産量の増大に向けた取り組みを推進してまいります。また、大規模な津波により大きな被害を受けた沿岸地域の海岸防災林については、盛り土や植栽による復旧を進めてまいります。 水産業分野では、漁業協同組合が共同で利用する漁船、漁具、定置網の早期復旧に継続して取り組んでまいりますが、これにより、二カ年度の合計で三千隻の漁船の整備が図られると見込んでおります。また、漁協や水産加工業協同組合などが所有する冷蔵施設や加工場、荷さばき施設等の復旧に対する助成を行い、できる限り早い時期の完全復旧を目指します。あわせて、早期の漁業再開に向けて被災海域における瓦れきの処理を進めるとともに、沿岸漁場及び養殖場の環境調査を実施し、種苗放流による水産資源の回復を図ってまいります。 漁港整備については、水産業集積拠点漁港等の主要な漁港の復旧について平成二十五年度までの完了を目指し優先的に取り組み、石巻漁港ほか七漁港の背後地のかさ上げや排水対策を講ずるなど、漁港機能の回復に努めてまいります。 このほか、農林水産物等の販路拡大を図るため、ウェブサイトの活用やイベントの開催、県外向けの広報宣伝による情報発信の強化や、首都圏での販売促進など県産農林水産物のイメージアップに取り組んでまいります。 第五に、県民の生命と生活を守り、震災を乗り越えて更なる発展につなげる県土づくりを図るため、道路、港湾、空港などの交通基盤の確保や河川・海岸などの県土保全、上下水道などのライフラインの復旧について、平成二十七年度までの完了を目指し進めてまいります。 沿岸防災ネットワークを強化する観点から、三陸縦貫自動車道の整備を促進するとともに、県北の東西の連携軸を形成するみやぎ県北高速幹線道路の整備を推進いたします。また、大島架橋事業については、先日、着手式を開催しましたが、復興のシンボルとなる事業として平成三十年度の完成を目指し取り組んでまいります。更に、大津波による壊滅的な被害や大規模な地盤沈下の発生に伴い浸水リスクの高まった地域においては、遊水地や排水機場、堤防などを組み合わせた総合的な取り組みを進め、安全安心な県土づくりに努めます。 仙台塩釜港においては、震災により低迷していたコンテナ貨物取扱量も徐々に上向きつつある中、更に北米航路も先月末から再開されるなど物流面での復旧も進んでいることから、こうした流れを加速させるため、仙台塩釜港などの主要港湾については、平成二十五年度までに本格復旧を完了させるほか、仙台塩釜港や石巻港における臨港地区の防災・減災機能を高める防潮堤の整備を引き続き進めてまいります。なお、仙台塩釜港、石巻港、松島港の三港統合一体化については、必要な港湾計画の素案の策定に取り組み、その実現に努めてまいります。 また、仙台空港及び仙台空港アクセス鉄道の利用もほぼ前年並みの水準まで回復するなど、今後の地域経済の復興に大きく貢献することが期待されており、引き続き、国内定期便の利用拡大と国際定期便の再開に向けた取り組みを進めてまいります。 下水道については、本来機能すべき処理能力まで復旧していないことから、引き続き施設復旧を進め、平成二十四年度内の処理機能の回復を図ってまいります。 第六に、将来の宮城の発展に向け、家庭、地域、学校の協働のもと、学校で学ぶすべての子供たちが夢と志を持って安心して学べる教育環境を確保してまいります。 まず、安全安心な教育環境を確保するため、震災で被害を受けた学校施設の早期復旧に努めてまいりますが、特に甚大な被害を受けた水産高等学校については平成二十八年度末までを、農業高等学校及び気仙沼向洋高等学校については平成二十九年度末までをめどに新校舎の建設を進めてまいります。 また、被災した児童生徒等が安心して就学できる環境を確保するため、学用品費や学校給食費などについて市町村と連携して支援を行うとともに、震災によるさまざまな環境変化に伴う児童生徒等の心のケアにきめ細かく対応するため、スクールカウンセラーなどの専門職員の派遣を行うほか、被災地区の学校における教職員の体制を強化し、生徒指導や進路指導、教育相談などを充実させます。 更に、児童生徒の放課後や週末、長期休業期間中の学習や地域の人たちとの交流を促進し、地域コミュニティーの再生に努めてまいります。 志教育については、今回の震災の経験を生かし、小学校から高校のすべての段階において、人間としての生き方や将来みずからが社会で果たすべき役割を主体的に考えるよう促す取り組みを積極的に進めてまいります。あわせて、家庭、地域、学校が相互に連携の上、協働して子供を育てる仕組みづくりを積極的に推進し、家庭、地域の教育力の向上や活性化を図ります。 また、(仮称)防災主任を各学校へ配置し、地域との連携を踏まえた防災教育等を充実させてまいります。 第七に、県民生活の安全安心を守る社会基盤である防災機能や治安体制の回復、充実強化を図るとともに、災害時の連絡通信手段の確保や大規模な津波への備えを重視した広域防災体制の構築を進めてまいります。 防災機能の回復に当たり、東日本大震災の教訓等を後世に引き継ぎ、今後の施策に反映させるため、震災の記録を作成・検証するとともに、宮城県地域防災計画の改定を行います。また、このたびの震災においては、停電や通信の途絶などにより情報収集に大きな支障を来した地域もありましたことから、災害初動時のために衛星携帯電話等の整備を進め、更に津波により流失した女川町、南三陸町、気仙沼合同庁舎等の無線設備を復旧させるほか、災害に強い通信システムを再構築してまいります。被災した防災ヘリコプターの代替機については今後国からの無償貸与がなされる予定となっておりますが、それまでの間、リースによる対応を継続し、新たな管理事務所や格納庫については仙台市とともに適地を選定の上、移転建てかえを進めてまいります。 また、治安体制の回復については、気仙沼警察署を初めとした警察施設の早期復旧や緊急車両等装備品の充実を図るとともに、被災地を中心としたパトロール活動を強化するための体制を整備いたします。 更に、東京電力福島第一原子力発電所事故による県民生活へのさまざまな影響に対しましては、先ほど申し上げましたとおり、全庁挙げて県民の不安解消や風評被害払拭などに努めてまいります。 次に、宮城の将来ビジョンの着実な推進に資する主な施策等について御説明申し上げます。 富県宮城の実現を推進し、本県が将来にわたって安定し発展していくためには、これまで御説明申し上げてまいりました復旧・復興の取り組みを進める一方で、更なる産業の集積を図っていかなければならないと考えております。このため、私が先頭に立って自動車関連産業高度電子機械産業などの企業誘致に引き続き注力して取り組むほか、クリーンエネルギー等の次代を担う新たな産業の集積・振興を促進し、地元企業との取引拡大を進めるなど安定的な雇用確保に向けた多様な雇用機会の創出を図ってまいります。 次に、安心と活力に満ちた地域社会づくりを推進するため、安心して子供を生み育てることができる地域社会の実現を目指し、子育て支援を進める県民運動を展開してまいります。また、保育所入所待機児童の解消を図るため、子育て支援対策臨時特例基金を活用し保育所整備を進めるとともに、家庭的保育の実施を支援してまいります。狭隘化解消が課題となっております特別支援学校については、仙台市内の小学校の空き教室を活用した分教室設置のための改修を行うとともに、新設することにしておりました特別支援学校の建設についても、来年度から本格的に工事に着手し、平成二十五年度内の完成を目指します。更に、私学振興については、保護者負担の軽減や学校運営の健全化の面から、助成単価の引き上げなどを行うこととしております。 高齢化の進展とともに増加し続ける特別養護老人ホームの入所待機者の解消を図るため、平成二十五年度までに二千二百十一床の整備を目標に進めてまいりましたが、依然として緊急に入所が必要な方が増加していることから、更なる整備に向け積極的に取り組んでまいります。 また、これまで仙台市内で唯一警察署のなかった若林区における治安の維持・確保を図る観点から、来年度においては、(仮称)若林警察署建設用地の選定を進めることとしております。 次に、人と自然が調和した美しく安全な県土づくりの推進についてですが、今年度から導入されておりますみやぎ環境税につきましては、震災に見舞われ厳しい状況下にある中で、県民の皆様に御負担いただく重みをしっかり受けとめ、健全な森林の育成や森林機能の強化などの施策の実現に取り組んでまいります。また、国から追加配分された地域環境保全特別基金を活用し、市町村の地域防災拠点における太陽光発電システム等の整備を促進いたします。 ことしの秋には、「伊達の地に 実れ!ねんりん いきいきと」をテーマに、全国から数多くの皆様の御参加をいただき、ねんりんピック宮城・仙台2012を開催いたします。震災後、県内で初めてとなる大規模なイベントであり、全国各地から大勢の方々をこの宮城の地にお迎えいたしますので、この機会をとらえ宮城の元気な姿と復興への確かな歩みを全国へ向けて発信するとともに、御支援いただいた多くの皆様に心から感謝の意を伝える大会として開催できるよう取り組んでまいります。 以上、施策の主な内容について御説明申し上げましたが、平成二十四年度の当初予算規模は、一般会計で一兆六千八百二十二億八千百余万円、総計で一兆九千八百五十八億九千二百余万円となります。財源の主なものとしては、県税二千五十六億円、地方交付税三千三百六十八億円、国庫支出金三千七百八十億二千九百余万円、諸収入四千六百九十四億余万円を計上し、また、臨時財政対策債及び借換債を含め県債二千百二十五億四千余万円を発行することにしております。 次に、予算外議案については、条例議案三十件、条例外議案七件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第十六号議案は、市町村に移管される障害児通所給付費等の処分に係る審査請求機関として、宮城県障害児通所給付費等不服審査会を設置しようとするもの、議第十八号議案は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の改正に伴い、信号機等に関する基準について必要な事項を定めようとするもの、議第十九号議案は、宮城県図書館協議会の委員の任命基準等を規定しようとするもの、議第二十号議案は、警察職員及び学校教職員等の定数を改定しようとするもの、議第二十一号議案は、特定保険業の認可に係る申請手数料の新設等を行おうとするもの、議第二十二号議案は、地方税法等の改正等に伴い、個人県民税の均等割の税率の引き上げ等を行おうとするもの、議第二十四号議案は、住民基本台帳ネットワークシステムを利用できる事務を追加しようとするもの、議第二十八号議案は、認定特定非営利活動法人の認定に係る事務が国から県に移譲されることに伴い規定を整備しようとするもの、議第三十一号議案は、介護保険料の上昇の緩和等に活用するため、平成二十四年度に限り介護保険財政安定化基金の一部を取り崩すことができるようにするもの、議第三十二号議案は、認定こども園の認定要件に関する基準等を定めようとするもの、議第三十六号議案は、後期高齢者医療財政安定化基金への拠出率を改定しようとするもの、議第三十九号議案は、風致地区内における行為の許可権限等が市町村に移譲されることに伴い条例を廃止等しようとするもの、議第四十二号議案は、県営住宅への入居資格に同居親族要件等を追加しようとするもの、議第四十三号議案及び議第四十四号議案は、宮城県美術館協議会及び東北歴史博物館協議会の委員の任命基準を規定しようとするもの、議第四十五号議案は、運転免許関係の手数料を改定しようとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第四十八号議案は、安全安心まちづくりに関する基本的な計画の策定について、議第四十九号議案は、包括外部監査契約の締結について、議第五十一号議案は、国営土地改良事業に係る市町村受益負担金について、議第五十二号議案は、流域下水道事業の維持管理に係る市町村受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 東日本大震災は、六百年に一度とも言われる大震災であり、私たちは、まさにそうした災害に遭遇した時代の人間として、後世の人々が安全・安心な生活を営めるような社会をつくり上げる責任を負っております。険しい道のりですが、あの発災当時からこれまでに一人一人が発揮した力があれば、必ずやこの難局を乗り越え、復興を達成することができると信じております。 これからも延々と続く歴史の中で、五十年後、百年後の人々が今を振り返ったとき、宮城県にとりまして平成二十四年が大きな転換点であり、再出発の年であったと顧みられるよう、また、すべての人にとって、午後二時四十六分にとまってしまった時計の針が動き出し新たな時を刻み始めるよう、ここにお集まりの議員各位を初め、すべての県民の皆様と思いを一にして、復旧・復興に邁進してまいります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。 ○議長(中村功君) 当初予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。----------------------------------- △休会の決定 ○議長(中村功君) お諮りいたします。 議案調査のため明日から二月二十二日まで六日間本会議を休会とし、二月二十三日再開することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(中村功君) 御異議なしと認めます。 よって、明日から二月二十二日まで六日間本会議を休会とし、二月二十三日再開することに決定いたしました。 なお、ただいま御出席の諸君には改めて通知いたしませんから、御了承願います。----------------------------------- △散会
    ○議長(中村功君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 二月二十三日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後一時五十三分散会...